トワライズは「地域密着」をキーワードに地域の文化活動を積極的に支援しています。
「山陰地域文化賞」は山陰両県で文化向上に貢献する各種団体を表彰しその団体と共に、
地域文化の発展に寄与することを目指すトワライズの代表的メセナ活動の一つです。
第35回(令和4年度)受賞者
[島根県]
「石見神楽温泉津舞子連中」
(島根県大田市)
島根県西部地方の伝統芸能「石見神楽」を伝承し、神楽公演活動を行っている。龍御前(たつのごぜん)神社の威徳をテーマにした「龍神」、八岐大蛇(やまたのおろち)の後日談を描いた「八面(やつおもて)」などの創作演目が人気。世代継承も行われ、郷土芸能を伝承しながら地域の活性化に繋げている。
夜神楽の様子
[鳥取県]
「久松山を考える会」
(鳥取県鳥取市)
鳥取市の名所である久松山(きゅうしょうざん)を中心とした地域でイベント活動を行っている。東日本大震災を受けて毎年お盆の時期に行っている「大文字点灯」は鳥取市の新たな風物詩として定着。様々なイベント開催等を通じて、地域の方々の輪を広げるなど観光振興に繋がる取組みを行っている。
大文字点灯準備の様子
第34回(令和3年度)受賞者
[鳥取県]
「鳴り石の浜プロジェクト」
(琴浦町赤碕)
鳴り石は、礫(れき)石が波にもまれてぶつかり合い「カラコロ」と鳴るようになった自然の産物。
その「鳴り石の浜」の保存と活用のため2011年6月に町民によってプロジェクトを結成。
さまざまな企画を立案・実行し、県内外から人が訪れる観光スポットに押し上げるなど
地域活性に向けた取組みをしている。
鳴り石の浜プロジェクト
[島根県]
「雲南市演劇によるまちづくりプロジェクト実行委員会」
(雲南市木次町)
「日本のさくら名所100選」に選ばれ、
その選定から10年目の2000年に木次町民有志が桜並木と町民の絆を表現した町民参加の創作劇を初上演。
その後、地元の題材をいかした演劇で町を盛り上げようと2008年にプロジェクト実行委員会を設立。
以降、広報、チケット販売、運営を同実行委員会が続け、地域の活性化に繋がる活動をしている。
雲南市演劇によるまちづくり プロジェクト実行委員会
第33回(令和2年度)受賞者
[鳥取県]
「淀江傘伝承の会」
(米子市淀江町)
淀江傘は、江戸時代後期に倉吉から淀江に移り住んだ倉吉屋周藏が傘屋を開いたのが始まりとされる。
伝統文化を絶やすまいと有志が立ち上がり、1985年に淀江傘伝承の会を結成。技術を受け継ぎ、地域の文化を後世へ伝える活動をされています。
淀江傘制作の様子
[島根県]
「佐陀神能保存会」
(松江市鹿島町)
佐太神社に伝わり、400年以上の歴史を持つ奉納神楽。2011年にはユネスコ無形文化遺産登録。
ユネスコの登録リストに載った2009年から定期公演を続け、「一人でも多くの人に知ってもらい、地域振興につなげる」活動をされています。
佐陀神能演舞の様子
第32回(令和元年度)受賞者
[鳥取県]
「下蚊屋荒神神楽保存会明神社」
(日野郡江府町)
江戸時代末期に、下蚊屋集落と隣接する美作・備中地方から伝わり、農閑期の伝統芸能として定着。明治期に「下蚊屋の荒神神楽」として確立。
保存会は昭和7年に結成され、現在に至る。スサノオの衣装は修繕なく40年近く使用しておられ、また全国の殆どの社中で舞い方・科白などが変化してきている中、同保存会では、伝来当初の形をそのまま継承されています。
メンバーによる稽古の様子
[島根県]
「能海寛研究会」
(浜田市金城町)
かつて仏教の原点を求めチベットを目指した学僧、能海寛の偉業を永く後世に伝えるため顕彰会を設立し、長年にわたり学術的研究など様々な活動に取組まれています。2ヶ月に1度の定例学習会は既に100回を超え、各地での移動学習会やシンポジウム等も開催。昨年は能海寛の生誕150年の節目の年にあたり、記念事業が執り行われました。
定例学習会のもよう
第31回(平成30年度)受賞者
[鳥取県]
「智頭町森のようちえん まるたんぼう」
( 八頭郡智頭町 )
〝森のようちえん〟とは、森や川など野外フィールドを活用し子供達を育む保育スタイルで、ヨーロッパ各地から広がったといわれ、
日本各地でも様々な取組みが行われています。まるたんぼうでは、自然の中で様々な体験を積みながら伸び伸びたくましい子供に育って欲しい、
豊かな森で遊んだことを誇れる人に育って欲しい、そうした思いを抱く人達が集まり、今では県外からの入園者も増えました。地域社会の活性化やコミュニティづくりに貢献されています。
[島根県]
「今福 優:和太鼓奏者」
( 益田市匹見町 )
匹見町を拠点に国内外で活動する和太鼓奏者。24歳で和太鼓グループ「鬼太鼓座」に入座。
途中7年間のサラリーマン生活を経て本格的にソロ活動を開始。45歳で新メンバー2人と「今福座」を立ち上げる。郷土に伝わる
石見神楽を舞台用にアレンジした作品を数多く生み出し、フランス、イタリア、アメリカ、中国など海外遠征も行っています。後進の指導に
も力を注がれ、和太鼓を通じた子供の育成や、県内外の学校・公民館での公演に精力的に取組まれるなど、活動の場を広げています。
第30回(平成29年度)受賞者
[鳥取県]
「NPO法人 鳥の劇場」
( 鳥取市鹿野町 )
廃校になった幼稚園・小学校を劇場施設にリノベーション。演劇文化の振興と地域活性化を目的に、行政等と連携し毎年9月に「鳥の演劇祭」を開催。国際交流も進めており、全国や海外に開かれた場となることを目指しています。また創作・上演活動のみでなく、地域と演劇との深い繋がりを目指し、小学校へ出張してワークショップや、地元の中学生を招待する上演会を実施する等、地域の文化拠点としての劇場作り、教育・普及活動にも力を注がれています。
[島根県]
「しまね映画祭実行委員会」
( 松江市 )
常設映画館が少ない島根県において「映画を観て人生を豊かに」「映画館のない町に映画を届けたい」と、官民協力のもと毎年秋に映画祭を開催。3ヵ月間にわたり展開する「日本一長い映画祭」といわれ、県内全域で話題作・未公開映画の上映、トークショーなどが行われます。錦織良成監督が塾長を務めるワークショップ『しまね映画塾』は、撮影合宿を通じ映画製作の体験もできます。映画の面白さをより深く知ってもらおうと、映画文化を支える活動に力を注がれています。
第29回(平成28年度)受賞者
[鳥取県]
「金田川ホタルの里」
( 西伯郡南部町 )
南部町の山あいに流れる金田川沿いには沢山のゲンジボタルが生息し、ピーク時には100を超えるホタルが夜空を舞います。かつては護岸工事や農薬等の環境問題で、一時ホタルがいなくなった時期がありました。ホタルの里を復活させようと地元住民有志が集まり、その後の地道な活動によって今ではこの地域屈指の名所となり、シーズン中で多い日は1日2千人以上が訪れます。金田地区では、ホタルを通して環境の大切さや地域愛を育んでいます。
[島根県]
「麻呂の会」
( 江津市 )
日本最古の和歌集「万葉集」。その代表的歌人で江津市ゆかりの「柿本人麻呂」を顕彰する団体で、平成20年に結成。地域の文化振興や歴史研究に取組まれ、文化活動を通じた地域振興に貢献されています。柿本人麻呂は、およそ1300年前の飛鳥時代に、江津市など石見地方の各地をたずね和歌を詠んだとされています。今後は、人麻呂ゆかりの各地との広域連携を視野に、活動を広げて行かれる予定です。
第28回(平成27年度)受賞者
[鳥取県]
「山陰柴犬育成会」
( 東伯郡湯梨浜町 )
平成14年に結成され、山陰地方固有の‶山陰柴犬〟の血統を守り育てる活動を続けています。過去には、戦争中の食糧難や、戦後に起きた犬の伝染病などにより幾度も絶滅の危機を迎えましたが、少数の愛好者の手により乗り越えてきた経緯があります。現在は、年に1度の鑑賞会や研修会の開催をはじめ、山陰柴犬の魅力を県外にも広めるなど広報活動にも力が注がれ、愛好者は全国に広がっています。
[島根県]
「神門通り甦りの会」
( 出雲市大社町 )
地元住民や商店主が、出雲大社の表参道にあたる神門通りにかつての賑わいを取り戻そうと平成20年に同会を結成。様々なおもてなし事業を展開し、通りの賑わい創出に貢献されています。平成の大遷宮にあわせ、路面の石畳化やデザイン照明の設置などハード面の整備を進め、また自作の灯籠で通りをライトアップするなど地道な取り組みにより、今では、かつての華やかさを取り戻し、活気に溢れています。
第27回(平成26年度)受賞者
[鳥取県]
「上田京子氏(図書館の振興ならびに郷土詩人生田春月の研究)」
( 米子市 )
鳥取県立図書館、米子市立図書館と約40年にわたる図書館勤務で、図書館の振興や図書館ネットワークの推進に尽力されました。現在は鳥取短期大学で非常勤講師をお勤めです。大正から昭和初期にかけて活躍した米子市出身の詩人「生田春月」の研究をライフワークとし、同氏の資料収集や、足跡をまとめた評伝「生田春月への旅」を出版。生田春月にかかわる講演のほか、「読書の楽しみ 読む喜び」をテーマとした講座の講師を務めるなど、今後益々のご活躍が期待されています。
[島根県]
「サウンドファイブ夢の音会」
( 浜田市 )
昭和43年から浜田金城町を中心に活動していたアマチュア音楽団体が、昭和60年に‶サウンドファイブ夢の音会〟を設立し、音楽による地域づくりを目指し、林間交流拠点「夢の音村」を建設。夢の音村の中心施設「森の公民館」の運営やプロモート活動を行っています。プロモートした著名人は、名誉村民として森の公民館長に登用。歴代館長には蒼々たる音楽家・識者らが名を連ねます。地域と連携し、地域資源の活用による交流体験事業など多様な文化事業を展開され、地域振興の先導的役割を担われています。
第26回(平成25年度)受賞者
[鳥取県]
「いんしゅう鹿野まちづくり協議会」
( 鳥取市 )
「祭りの似合うまちづくり」を目指し、城下町の面影を残す景観づくりに取組んでいます。民家の玄関に藍染め暖簾をかける取組みや、空き家の古民家を改装して食事処やギャラリー、活動拠点などに活用。また、400年の伝統を誇る鳥取県無形民俗文化財「鹿野まつり」をはじめ、「いんしゅう鹿野盆踊り」、全国唯一の「虚無僧行脚」、骨董品「レトロ市」等々、街並みに似合うイベントを多数催し、今では町外からも多くの人が訪れ、賑わいを見せています。
[島根県]
「安来市文化協会」
( 安来市 )
JR安来駅併設の観光交流プラザの拠点に、島根県展入選作品の展覧会や、地元芸術家の作品展示、市民作家の個展の開催等々、市民が芸術・文化と触れ合う場を提供しています。このほか、各種講演開催や、顕著な文化芸術活動に対する協会賞授与、会報「文化やすぎ」の発行、小学校での「ふるさと学習」への講師派遣等々、活動は多彩です。
第25回(平成24年度)受賞者
[鳥取県]
「 杉本良巳氏(郷土史家) 」
( 西伯郡南部町 )
鳥取県西部を中心に、郷土史の研究に長年にわたり取組まれ、著書も多数。平成17年に鳥取県文化功労賞、同22年に文部科学大臣表彰を受賞。山陰歴史館長、大山寺宝物館名誉館長、山陰歴史館運営委員長等を経て、平成18年より米子市歴史館運営委員長をつとめられています。現在もなお精力的に執筆活動や公演会をされ、郷土の歴史や文化の伝承者として、今後益々のご活躍が期待されています。
[島根県]
「 益田糸操り人形保持者会 」
( 益田市 )
明治20年頃が始まりとされ、17~25本の糸を巧みに操り、人形の微妙な動作を表現する人形芝居で、県の無形民俗文化財に指定されています。保持者会は昭和42年に結成され、会員は20歳代から70歳代までと幅広く、県内外で公演を開催しながら、後継者の育成にも力を注がれています。また人形は明治時代に大阪の人形師が作ったものを今も使用し、県の有形民俗文化財に指定されています。往時のままの姿で伝承され、上演されるものとしては、我が国で現在上演されている糸操り人形の中では唯一無二のものと言われています。
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